第三五二海軍航空隊② | 航空戦史 雑想ノート【海軍編】

第三五二海軍航空隊②

第三五二海軍航空隊② 


昭和19年10月

三菱鈴鹿工場より雷電21型を空輸し装備を増やす。
中島小泉製作所及び三〇二空よりの空輸で月光の装備を増やす。


昭和19年10月中旬

雷電の可動機数:10機前後を確保。


昭和19年10月20日

月光の装備機数:8(うち可動6)機


昭和19年10月25日

「大村地区B‐29邀撃戦」
早朝 支那派遣軍が敵大編隊東進を通報。
0815 佐世保鎮守府は第二警戒配備をとる。
0842 済州島の陸軍電波警戒機が敵機群を捕捉。
0855 五島列島福江島大瀬崎海軍電探が290度171㌔に敵機群を捕捉。
0900 佐世保鎮守府は警戒警報を発令。
0921 三五二空零戦41機が発進。
0925 月光6機が発進。
大村空零戦16機と三五二空零戦41機、雷電8機、月光6機の計71機が出撃。
0930 空襲警報発令

大村上空に雷電8機、零戦25機、長崎上空に零戦16機、佐世保及び長崎の西方90㌔上空D哨区に月光 6機を展開した。
0955 B‐29重爆撃機59機を邀撃。
大村空延べ23機、三五二空延べ54機が交戦。
1055 丙戦隊の井手中尉/二村上飛曹機が、爆撃を終了後のB‐29重爆撃機7機編隊を西へ追撃。東支那海上空にて後下方攻撃を行い、主翼付け根付近より発火したが、まもなく消火。被弾により電信機を破壊され、上方銃が故障、下方銃により反復攻撃で再度発火させるが、搭乗機被弾の為、済州島の飛行場に不時着。撃破したB‐29重爆撃機は、陸軍飛行第五六戦隊の三式戦闘機「飛燕」が追撃した為、撃墜概ね確実と判断。
野村二飛曹/大沼飛曹長機は、離陸直後発動機不調の為、引き返し25分後に再出動。五島列島中通島上空にてB‐29重爆撃機4機を発見、うち1機に対して命中弾を与える。
哨戒及び邀撃が高度8,000㍍にて行われた為、機銃凍結27機(うち月光2機)、発動機のベーパーロック 5機(うち月光1機)と予想外の故障が頻発。
【編成】

零戦41機、雷電8機、月光6機
甲戦隊(零戦)・第一中隊・第一小隊

 一番機 神崎国雄大尉

 二番機
 三番機
 四番機
第二小隊

 一番機 川崎 進少尉
 二番機
 三番機
 四番機
第三小隊

 一番機 佐伯義道飛曹長
 二番機
 三番機
 四番機
第二中隊・第一小隊

 一番機           編成不明:一名
 二番機           沢田浩一中尉 *撃墜:B‐29爆撃機1機、撃破:B‐29爆撃機1機
 三番機           
 四番機
第二小隊

 一番機
 二番機
 三番機
 四番機

第三中隊・第一小隊

 一番機
 二番機
 三番機
 四番機

第二小隊

 一番機
 二番機
 三番機
 四番機
第四中隊・第一小隊

 一番機
 二番機
 三番機
 四番機
第二小隊

 一番機
 二番機
 三番機
 四番機
第五中隊・第一小隊

 一番機
 二番機
 三番機
 四番機
第二小隊

 一番機
 二番機
 三番機
 四番機
乙戦隊(雷電)・第一中隊・第一小隊

 一番機 杉崎 直大尉
 二番機 名原安信上飛曹   *撃破:B‐29爆撃機2機
 三番機
 四番機
第二小隊

 一番機 西村南海男上飛曹
 二番機           編成不明:一名     
 三番機           三宅淳一一飛曹  発動機不調で不時着、大破。

 四番機
丙戦隊・第一中隊・第一小隊

 一番機 操縦・井手伊武大尉    *撃破:B‐29重爆撃機1機
       偵察・二村繁三上飛曹    右発動機等に9発被弾、済州島に不時着

 二番機 操縦・野村安蔵二飛曹   *撃破:B‐29重爆撃機1機
       偵察・大沼正雄飛曹長    離陸後、発動機不調で引返すが、25分後に再出撃

 三番機 操縦・岡戸 茂上飛曹
       偵察・名和 寛一飛曹     右発動機が故障で止まり、引返す

第二小隊

 四番機 操縦・矢倉幸栄飛長
       偵察・村野幾士少尉      機銃凍結の為、離脱

 五番機 操縦・平山智寿一飛曹
       偵察・岡田 常少尉      帰還時、航法不備で四国まで行ってから帰還

 六番機 操縦・金子善三郎少尉
       偵察・伊藤正剛少尉          
【戦果】

撃墜:B‐29重爆撃機1機 撃破:B‐29重爆撃機14機(火を吐かせた5機は撃墜概ね確実、黒煙を吐かせた4機は不時着の可能性大)
【総合戦果】

撃墜:1機 撃破:18機
[陸軍戦果:撃墜1機、撃破12機]
《米軍記録》

損失:2機(被撃墜1機、離陸事故1機) 損傷:12機
【被害】

不時着:3機 被弾:5機
【地上被害】

 285名(大村の第二十一海軍航空廠の動員学徒等)、施設の被害大。


【参考文献】

テーマ一覧「主要参考文献・資料」を参照下さい。


[筆者注:調査未完のため、今後大幅に加筆・改訂予定です]


初稿  2005-04-27