第三五二海軍航空隊①
第三五二海軍航空隊
【開隊】
昭和19年8月1日
大村航空基地基地(佐世保、長崎、大村地区の防空を主任務)
「草薙部隊」と称された。
【装備定数】
局地戦闘機(乙戦)48機、夜間戦闘機(丙戦)12機
【所属】
佐世保鎮守府
昭和19年8月
可動機
零式艦上戦闘機30機弱 夜間戦闘機「月光」3~4機 局地戦闘機「雷電」0機
昭和19年8月10日~11日
「長崎方面B-29夜間邀撃/三〇二空大村派遣隊」(本土における海軍防空戦闘機隊の初出撃) 佐世保鎮守府が、陸軍支那派遣軍よりのボーイングB‐29「スーパーフォートレス」四発重爆撃機の飛行情報を、福岡市の西部軍司令部より通報を受ける。
2200 佐世保鎮守府が、佐世保海軍警備隊の高射隊及び見張隊に第二警戒配備、電波探信儀に全配備を発令。
2318 陸軍の済州島電波警戒機が不明目標を捕捉。
2328 佐世保鎮守府が、海軍地区に警戒警報発令。
2345 佐世保鎮守府が、海軍地区に空襲警報発令。
2355 宇久島電探が265度 170㌔に東進する目標を捕捉。
大瀬崎電探が310度 110㌔に東進する目標を捕捉。
女島電探が320度 160㌔に東進する目標を捕捉。
0015 宇久島で爆音が聴かれた。
月光2機(三〇二空大村派遣隊)が大村基地を発進。
濃霧と雲の悪天候(長崎は雨、八幡は曇り)で、会敵せず。
{米第20爆撃兵団/第58爆撃航空団の成都出撃B-29:29機、うち2機が引返し、3機が倉幡(小倉、八幡)方面にそれ、24機が夜間レーダー照準で、長崎市一帯の軍事施設に投弾した、帰途に1機が故障の為、中国・陜西省に不時着}
【編成】
月光2機
出撃搭乗員(推定)
一番機/操縦 遠藤幸男中尉
偵察 尾崎一男一飛曹
三番機/操縦 岡戸 茂 上飛曹
偵察 名和 寛 一飛曹(あるいは大沼正雄飛曹長と交替の可能性もあり)
【戦果】
無し
《米軍記録》
不時着:1機(帰途に故障の為、陜西省に不時着)
【被害】
爆弾はほとんど海に落ち、実質的な被害は無し
昭和19年8月20日
「北九州地区B-29邀撃戦」
1400以降 支那派遣軍よりB-29の飛行情報が入電。
済州島陸軍電波警戒機に続いて、五島列島の宇久島や福江島大瀬崎の海軍電探からの目標捕捉報告が入る。
1610 西部軍が、全管区に警戒警報発令
1630 佐世保鎮守府が空襲警報発令。
1630 零戦3機が、月光4機が発進。
零戦延べ33機、月光4機にて、大村基地上空の警戒任務につく。
北九州に侵入したB-29は67機。主力61機は八幡製鉄所を爆撃、陸軍第十二飛行師団(可動87機)と交戦。
残る一部6機と三五二空が長崎上空で交戦、甲戦隊が撃墜1機、撃破1機、丙戦隊が中破3機、小破2機。【編成】
零戦延べ33機 月光4機
甲戦隊
第一中隊・第一小隊
一番機 神崎国雄大尉
二番機
三番機
四番機
第二小隊
一番機
二番機
三番機
四番機
第二中隊・第一小隊
一番機
二番機
三番機
四番機
第二小隊
一番機
二番機
三番機
四番機
丙戦隊・[三〇二空]
第一小隊
一番機 操縦・遠藤幸男中尉 *中破・B-29:3機 小破・B-29:3機 済州島に不時着
偵察・尾崎一男一飛曹
操縦・岡戸 茂 上飛曹
偵察・大沼正雄飛曹長
操縦・野村安蔵二飛曹
偵察・名和 寛 一飛曹
操縦・岩永夏男飛曹長 三五二空
偵察・稲本安次郎二飛曹
【戦果】
撃墜:1機 撃破:6機
《米軍記録》
被撃墜:4機(体当り2機、地上砲火1機、戦闘機1機)
未帰還:10機
撃破:8機
戦死95名
【被害】
不明
昭和19年8月21日付
丙戦隊の充実をはかる為、月光5機、零戦10機への斜銃装備の追加配備と、即戦力の搭乗員二個ペアの 増員を、大本営海軍部、航空本部の関係部長宛てに依頼。
これにより、大沼飛曹長、岡戸上飛曹、名和一飛曹、野村二飛曹の四名が、9月1日付で三〇二空より 三五二空への転勤辞令が出された。
また、零戦4機を大村の第二十一海軍航空廠に送り、斜銃装備の改造を行う。
昭和19年9月1日付
保有機数
「雷電」17機/可動 4機
「零戦」43機/可動25機
「月光」 4機/可動 3機
雷電に搭乗の神崎国雄大尉が、発動機故障で不時着[筆者注:期日不明]。
昭和19年9月上旬
三〇二空大村派遣隊で残った遠藤中尉、尾崎一飛曹が厚木に帰還。
昭和19年9月27日
[筆者注:調査未完]
【死者】
土井照彦 (乙飛17期)
以下、②に続く。
【参考文献】
テーマ一覧「主要参考文献・資料」を参照下さい。
[筆者注:調査未完のため、今後大幅に加筆・改訂予定]
初稿 2005-04-25